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セロ弾きのゴーシュ
大提琴手高修
(3)
ゴーシュは何と思ったか扉にかぎをかって窓もみんなしめてしまい、それからセロをとりだしてあかしを消しました。
高修不知在打什么主意,竟把门锁上,又把所有的窗子都关紧,再拿起大提琴,最后关掉灯。
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すると外から二十日過ぎの月のひかりが室のなかへ半分ほどはいってきました。
这时,窗外弦月的月光洒入屋内,照亮了半边小屋。
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“《梦幻曲》,就是那个浪漫派舒曼的曲子。”
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猫は口を拭いて済まして云いました。
花猫用前肢抹抹嘴,一本正经地说。
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“喔,我懂了,这《梦幻曲》是不是这样拉的?”
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セロ弾きは何と思ったかまずはんけちを引きさいてじぶんの耳の穴へぎっしりつめました。
高修不知又有了什么点子,竟把手帕撕成条,再将手帕碎条严严实实地塞进自己双耳内。
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それからまるで嵐のような勢で「印度の虎狩」という譜を弾きはじめました。
然后以暴风雨般气势,拉起《印度猎虎曲》。
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すると猫はしばらく首をまげて聞いていましたがいきなりパチパチパチッと眼をしたかと思うとぱっと扉の方へ飛びのきました。
花猫起初歪着头听了一会儿,突然眼睛啪嗒啪嗒连眨了几下,紧接着就向门口的方向飞扑过去。
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そしていきなりどんと扉へからだをぶっつけましたが扉はあきませんでした。
“砰”的一声,花猫的身子狠狠撞在门上,然而屋门并没有被撞开。
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猫はさあこれはもう一生一代の失敗をしたという風にあわてだして眼や額からぱちぱち火花を出しました。
此时,花猫像是领悟到自己犯下生平最大的错误似地慌张起来,眼睛和额头都噼里啪啦迸出火星。
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するとこんどは口のひげからも鼻からも出ましたから、猫はくすぐったがってしばらくくしゃみをするような顔をして、それからまたさあこうしてはいられないぞというようにはせあるきだしました。
接着,火星又从它的胡须和鼻子里冒出来,花猫痒得张口想打喷嚏,又想到哪有闲工夫在这里磨蹭,就又开始小跑起来。
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ゴーシュはすっかり面白くなってますます勢よくやり出しました。
高修看得津津有味,更加卖力地拉着琴弦。
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「先生もうたくさんです。たくさんですよ。 ご生ですからやめてください。 これからもう先生のタクトなんかとりませんから。」
“大师,我受不了!够了!拜托您别再拉下去了!从今以后我绝对不会再随着您的音乐打拍子了。”
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猫はくるしがってはねあがってまわったり壁にからだをくっつけたりしましたが壁についたあとはしばらく青くひかるのでした。
花猫时而痛苦地蹦跳打转,时而将身子贴在墙上,而它贴过的墙壁,会因它身上的火星而发青一阵子。
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しまいは猫はまるで風車のようにぐるぐるぐるぐるゴーシュをまわりました。
最后,花猫竟在高修四周,像风车一样一圈圈打起转来。
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ゴーシュもすこしぐるぐるして来ましたので、「さあこれで許してやるぞ」と云いながらようようやめました。
高修被花猫这么一转,也开始觉得头昏眼花,便说:“好吧!就饶了你吧!”然后停住拉弦。
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すると猫もけろりとして「先生、こんやの演奏はどうかしてますね。」と云いました。
琴声一止,花猫竟若无其事地说:“大师,你今晚的演奏有点不对劲啊。”
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セロ弾きはまたぐっとしゃくにさわりましたが何気ない風で巻たばこを一本だして口にくわえそれからマッチを一本とって
高修听后又火大起来,但他装出若无其事的样子,掏出一支卷烟叼在嘴上,再取出一根火柴说:
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「どうだい。工合をわるくしないかい。舌を出してごらん。」
“怎样?没吓坏你吧?来,伸出舌头让我瞧瞧!”
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猫はばかにしたように尖った長い舌をベロリと出しました。
花猫愚弄人般地伸出又尖又长的舌头。
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セロ弾きは云いながらいきなりマッチを舌でシュッとすってじぶんのたばこへつけました。
高修说着就把手中的火柴棒,往猫舌上一划,给自己点上了烟。
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さあ猫は愕いたの何の舌を風車のようにふりまわしながら、入り口の扉へ行って頭でどんとぶっつかってはよろよろとして、また戻って来てどんとぶっつかってはよろよろ、また戻って来てまたぶっつかってはよろよろにげみちをこさえようとしました。
花猫惊得六神无主,一边将舌头甩成像风车一样,一边冲向门口,用头撞门。门撞不开,就晃晃悠悠地走回来,再一头冲向门。再撞不开,就再晃晃悠悠地走回来,又一头撞向门……反反复复,拼命急着想逃出屋外。
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つづく🖌
选自丨「セロ弾きのゴーシュ」
朗読丨石田彰
セロ弾きのゴーシュ(2)